魚介を入れない濃厚白湯に比べ、濃厚魚介は魚介の旨味が入る為、比較的無化調でも物足りなさを感じさせる事なく作れるかなと思います。
旨味調味料に慣れた人に「美味しい」と感じさせるのは、なかなか難しかったりします。
ただ、無化調には無化調の良さがあり、旨味調味料を用いた場合に出来る「ありがちな味」にならず、素材の味を詰め込む事で出来る個性を出せるという側面もあるのかなと思います。
今回の目的としては、
無化調的な独特の美味しさ
ではなく、
化調に慣れた人に、それが無い事を感じさせない美味しさ
を目指したいと思います。
今回は、スープにも魚介系の乾物を用いていたのですが、タレにも多くの素材を用います。

スルメ、日高昆布、貝柱を水出しした後にゆっくりと煮出します。
別の鍋で並行し、旨味のベースとなるアサリを煮出します。


他の素材ももちろん重要なのですが、無化調の場合、貝柱とアサリの「貝」の旨味が大きな役割を果たします。
大きめの鍋に合流

濾した出汁

醤油等の各種調味料を加えます

藻塩や岩塩など、塩のみでやっていた時もありますが、それだけだと、「いかにも無化調」な味となる事が多いと思います。
醤油、魚醤などの調味料の力は大きいかなと思います。
今回は味重視で見た目はきにしていなかったので、普通の濃口醤油を用いましたが、色を気にする方は、薄口醤油、白醤油などを用いると良いでしょう。
また、濃厚な動物系白湯や背脂を浮かせたりなどし動物系のコクが強くなると、タレの旨味や醤油の風味を緩和し、分かりにくくするといった事が多々あります。
動物系の強い旨味に負けない強めの旨味のタレにする事で、バランスが取れる事が多かったりするので、タレのみの味で考えず、出来あがりの全体のイメージで考える様にすると失敗する事が少ないかなと思います。